スタッフ育成

飲食店の「クレンリネス」NGあるある!衛生面に配慮した店舗運営について考えよう

開店ポータル編集部
2019/11/21
この記事の目次 [表示する]
 店の印象を左右する大切なポイントに「清潔感」があります。食べ物を扱う飲食店であれば、なおさらです。店内をキレイに保つために、清掃を徹底しているところも多いでしょう。

 しかし、ときには混雑や気の緩みから衛生面への配慮が欠けてしまうことがあるかもしれません。そうなってしまうと、お客さまに不快な思いをさせるだけでなく、食中毒を引き起こす可能性もあります。お客さまに安心して食事を楽しんでもらうためにも、本記事を参考に接客や清掃の見直しを図ってみてください。

「QSC」を知る


 飲食店経営に大切な「QSC」の担保。Quality(クオリティー:品質)、Service(サービス:接客)、Cleanliness(クレンリネス:清潔さ)の頭文字をとったもので、飲食を扱うお店を経営する場合は、特に重要とされていることです。

 クレンリネスは、清潔な状態を保つこと。衛生面に配慮して店内を清潔にすることは、料理のクオリティーや接客サービスと並ぶほど、力を入れて取り組まなければならないことです。それができてはじめて、多くのお客さまに愛されるお店づくりが成立するといえます。

 以下ではクレンリネスで改善すべき「NG行為」を見ていきましょう。

★接客時のNG行為に関する記事はこちら★
飲食店の接客スタッフがやりがちなNG行為と改善策を知ろう

NG行為あるある

 接客時や清掃時に気を付けるべき、9つのNG行為とその改善策をご説明します。

1.お客さまの口に触れる部分を触る
2.ふきんを使いまわす
3.汚れた灰皿を放置する
4.「とりあえず拭いた」だけのテーブルセット
5.廃棄や清掃を後回しにする
6.バックヤードの清掃を怠る
7.客席に配慮のない清掃をする
8.接客中に髪やからだを触る
9.汗をかいたまま接客にあたる


 一つずつ見ていきましょう。

1.お客さまの口に触れる部分を触る

【改善策】
 グラスや箸、スプーン、フォークなどを運ぶときには、持つ位置に気を付けましょう。お客さまの口が直接触れるところをうっかり触ってしまうと、指紋や菌が付着してしまいます。もし出された食器が汚れていたら、決して良い気分にはなりませんよね。見た目が汚くなるだけでなく、食中毒の原因ともなるため、グラス類は下部を、カトラリー類は持ち手を持つことを意識してください。 

2.ふきんを使いまわす

【改善策】
 忙しくて時間がないときにやってしまいがちなのが、一度使用したふきんでそのまま清掃や片付け作業に入ってしまうこと。菌や汚れが付着した不衛生なもので拭いても、ただ汚れを広げてしまうだけです。
 一度使ったらしっかりと洗って、除菌などをしてから使用しましょう。常に清潔なふきんを用意しておくことが大切です。 

3.汚れた灰皿を放置する

【改善策】
 同じ喫煙者と言えど、席に着いたときに前の人の吸い殻が残っているのはとても不快です。お客さまが入れ替わったときには、必ず灰皿の交換をおこないましょう。また、同じお客さまが使用している最中だとしても、吸い殻が溜まってきたら積極的に灰皿交換や吸い殻を捨ててあげると良いです。お店が気付いて声をかけられるかどうかがポイント。「サービスが行き届いている」と、お客さま満足度を高められるかもしれません。 

4.「とりあえず拭いただけ」のテーブルセット

【改善策】
 テーブルセットのさい、表面を軽く拭いただけで終わらせていませんか?テーブルの側面や椅子、脚など、汚れているかもしれない箇所はたくさんあります。見落としのないよう、すみずみまでチェックしてください。
 各テーブルにメニュー表やコンディメントを置いている場合は、ベタベタする箇所や汚れがないかあわせて確認が必要です。

5.廃棄や清掃を後回しにする

【改善策】
 「あとでやろう」と、生ごみを放置したり清掃を怠るのは、異臭発生の原因となるため要注意です。一度異臭が出ると、壁などに染みついて完全にはとれなくなってしまうことも。においによって食欲が増したり逆に落ちてしまうこともあるほど、食欲と密接な関係があります。どれだけ雰囲気が良くても、異臭のする店内ではお客さまも来てくれません。日頃からこまめに廃棄、清掃をおこなってにおいが出ないよう対策しましょう。 

6.バックヤードの清掃を怠る

【改善策】
 お客さまの目につきにくいキッチン内やロッカールームなどは、清掃をつい後回しにしてしまいがち。衛生面が重視される飲食店で、清掃不十分な箇所があるのはいただけません。特にキッチンは食材を扱う場所であるため、清掃の優先度はとても高いです。
 見えないからといって怠ると、菌の繁殖や異臭を引き起こす原因となります。細かいところまでしっかりと清掃を行き届かせて清潔な店内を保ちましょう。 

7.客席に配慮のない清掃をする

【改善策】
 清掃は基本的にお客さまがいない時間帯におこないますが、場合によっては急遽清掃をしなければならないこともあります。そこで注意なのが、周りのお客さまは食事中であるということ。埃がまってしまわないようにできるだけ湿ったふきんやモップを使用し、もし清掃箇所付近の席にお客さまがいる場合は「失礼します」など声をかけながら静かに素早くおこないましょう。 

8.接客中に髪やからだを触る

【改善策】
 外気に触れている髪やからだには、知らない内にたくさんの菌が付着しています。そこを触った手で食材に触れたり食器を持つのは衛生的に問題で、お客さまとしても良い気持ちはしません。
 髪の長い方は、束ねたり帽子に入れるなどして身だしなみを整えてから接客してください。もし触った場合には、手洗いや消毒をしてから業務を再開しましょう。 

9.汗をかいたまま接客にあたる

【改善策】
 準備や調理、配膳、片付けなど、動いていれば勤務中に汗をかくこともあるでしょう。しかし、それをそのまま放置して接客にあたるのはいけません。汗が料理に入る可能性があるうえ、見た目の清潔感にも欠けます。頭にタオルを巻いて汗が落ちるのを防いだり、清潔なハンカチを携帯してこまめに拭きとるなど対策をとりましょう。なお、拭きとる際にはお客さまから見えないところでおこなってください。

チェックリストを活用する


 クレンリネスはとても重要なポイントです。テーブルや床などお客さまの目につく箇所はもちろん、キッチンなどのバックヤードやその他細かい箇所までしっかりとおこなう必要があります。

 しかし、お店が混雑していると、忙しくておろそかになったり雑になってしまいがち。そのような場合には、チェックリストを作成するのがおすすめです。いつ、誰が、どのくらいの頻度でおこなうのか、役割分担を決めて取り組めばクリンネスの漏れを防げます。

★チェックリストに関する記事はこちら★
飲食店に必要なマニュアルとチェックリスト


 ただし、チェックリストはあくまでも、クリンネスしたかどうかをチェックするためのもの。自分は担当ではないからクリンネスをしなくて良い、一度したから今日はもうしなくて良い、というわけではありません。汚れている箇所があったときには、気付いた人から率先して取り組みましょう。目に見える汚れがなくても、手が空いたときには付近で拭いたりほうきで掃いたりして、清潔な状態を保つよう努めてください。

★クレンリネスに関する記事はこちら★
飲食店に大切な「清潔感」を保つためのCleanliness

清潔な空間の維持は食中毒の予防にも効果的


 先ほど取り上げたNG行為や清掃の怠りは、お客さまに不快感を与えるだけでなく、食中毒を引き起こすことにも繋がります。食中毒の主な原因は、細菌やウイルス、動物性や植物性の自然毒など。外から持ち込まれた菌や食材が持つ毒によって起きる場合もありますが、お店の不注意による不衛生な環境が原因にもなりえます。特に6月から9月頃の、湿気が多くて暑い時期に菌が発生しやすいため注意が必要です。

★食中毒の予防に関する記事はこちら★
食中毒を予防するために、飲食店が徹底すべき3つのこと


 食中毒になると体調不良を引き起こし、最悪の場合は死に至るケースもあります。軽度の症状で済んだとしても、一度起こしてしまうとその後の営業に大きく影響します。客足が減り、閉業に追い込まれてしまうことも。
 清潔な空間で安心して料理を楽しんでもらうためにも、衛生面に配慮して菌が発生しにくい環境づくりを心がけていきましょう。清掃以外にも、業務にとりかかる前には手洗いうがいや消毒、キッチン担当は食材の管理の徹底など、スタッフ一人ひとりが意識していくことが大切です。

清潔感ある店内に


 清潔感があるのとないのとでは、お店の印象は大きく変わります。清潔感が保たれていれば、それだけで好感をもってもらいやすく、お客さま満足度アップも期待できます。さらに、料理はよりおいしく、サービスはより良く感じてもらえるはずです。スタッフ全員が衛生面に注意して、気持ち良く食事ができる環境づくりに努めていきましょう。

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