内装・インテリア

【店舗デザインの基礎知識】“内装建材”の種類とは?

開店ポータル編集部
2018/04/12
  これから飲食店を開業しようというオーナーが、店舗デザインを考える際に悩むポイントのひとつ“内装建材”。
 内装建材とは、平たく言えば、壁や床などのことです。内装建材によって、店全体の雰囲気や見栄えも大きく変わるので、賢い選択をしたいものです。また、材質によって、手入れのしやすさ持ちの良さ、さらには空調のコストなども変わってきます。
 それでは、内装建材にはどのようなものがあるか、メリットやデメリットもあわせて見ていきましょう。


1.“クロス(壁紙)”

 最も一般的な内装建材と言えば“クロス”です。いわゆる壁紙のことです。上から貼るだけで、表面を化粧することができ、比較的安く、施工しやすいことが特徴です。一口にクロスと言っても、さまざまな種類があるので、お店の雰囲気づくりのアイテムのひとつと捉えて、慎重に選びましょう。
 飲食店にとってはありがたい、汚れ防止加工抗菌・防カビ加工耐水性のある特殊加工など機能性に優れたメリットが多いのもクロスの特徴です。居抜き物件などで壁があまり加工できない場合や、オープンまでの期間があまりない場合は、施工期間も短く済むクロスで風合いを変えるとよいでしょう。


●ビニールクロス

 素材に塩化ビニール樹脂などを用いたシートに、紙などを裏打ちしたものです。比較的安価で、施工しやすいのが大きな特徴です。手入れもしやすく、消臭抗菌など、機能的に優れた材質のものもあります。デザインが豊富で手入れもしやすいとあって、飲食店にとっては強い味方になりそうですね。
 また、ビニールクロスは、原材料のビニールが外気温の影響を受けやすいため、壁が夏は熱く冬は冷たくなってしまい、空調が効きにくいデメリットがあります。

●紙クロス

 パルプを原料にした壁紙で、プリント加工エンボス加工が施されているものです。コウゾなどを原料とした和紙や、エコなパルプとして注目を集めているケナフを使用した紙クロスなどもあります。特徴は、優しい風合いが出せるということ。和紙のクロスは、和の雰囲気を大切にしたい飲食店にはもってこいです。年月が経つと味が出るのも魅力のひとつです。
 ビニールクロスと比べると、施工に手間と時間がかかり、値段も上がります。また膨張や収縮によって、目地が目立つこともあるので注意しましょう。

●織物クロス

 織物クロスは、布でできた壁紙です。温かみのある内装に仕上がるものの、価格は高めです。ホコリがつきやすいので、お手入れはこまめにしましょう。清潔感が第一の飲食店には扱いにくい壁紙かもしれません。ただし、高級感や重厚感ある空間を作り出せるのも、織物クロスならでは。全体ではなく、個室の雰囲気づくりなどに取り入れるなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。

●コルク風クロス

 粉末状の木材や、薄く切ったコルクを貼り合わせたクロスです。掲示板など、壁の一部のアクセントに用いられることが多いです。経年劣化でコルクの粉末が散らばることがあるので、お手入れはやや難しいです。木のぬくもりが気軽に演出できるという点では、プラスになるでしょう。

●聚楽(じゅらく)壁紙、珪藻土(けいそうど)壁紙

 塗り壁風の壁紙です。古い日本家屋の風合いや、ナチュラルな内装に仕上がります。塗り壁と比べて、職人の技量に左右されることなく、施工期間も短縮できるため費用を抑えられます。ただし、ホコリなどの汚れが付くと取れにくいというデメリットがあります。

 

2. “塗り壁”

 塗り壁は、土などを壁に塗ってつくりあげる内装建材です。漆喰壁、珪藻土壁、聚楽壁などが代表的です。高温多湿な日本の気候に合っていて、調湿性断熱性防火性防音性に優れています。

●漆喰壁

 石灰石を熱してできた消石灰に、石灰石の粉末や水、糊を混ぜ合わせたものです。あえて凹凸をつけて塗ることによって味のあるテクスチャを創り出すことができます。耐久性調湿性断熱性防火性に優れています。漆喰は外気温の影響をほとんど受けないので、季節に左右されることなく空調の効きが良く、コストを抑えられるというのも大きなメリットです。ただし、固さがあるため、地震などでひび割れをしやすいのがデメリットと言えるでしょう。

●珪藻土壁

 珪藻土壁は、珪藻という藻の仲間が長い年月をかけて堆積した土に、凝固剤を混ぜたものです。メリットとして、調湿性が高いことが挙げられます。珪藻土には目に見えない無数の小さな穴が開いており、湿気を吸収したり放出したりしてくれます。そのため、“呼吸する壁”とも呼ばれています。デメリットとしては、カビが生えやすく、耐久性に優れていない点が挙げられます。

●土壁・砂壁・聚楽など

 日本古来より壁材として使われてきた内装建材です。古い日本家屋は土壁や砂壁が一般的でした。中でも聚楽(じゅらく)壁は伝統的な土壁で、京都の西陣で産出される本聚楽土を使用したものを言います。料亭や割烹などの飲食店で使用すると、高級感あふれる和の雰囲気を出すことができますね。日本の風土に合っていて年月が経つにつれ味のある壁に変化していきます。


3. “木質系壁材”


 内装に用いられる木質系壁材は、大きく分けて無垢材複合壁材の2種類があります。無垢材は、切り出した自然な状態の木材のことですが、その分、価格も高くなります。そこで、コストを抑えるために使用されるのが、複合壁材となるわけです。複合壁材は、合板に木材の薄い板を貼りあわせたもの(天然木化粧合板)や、樹脂や紙などのシートに木目などのデザインを印刷して、基材に貼ったもの(化粧シート)などがあります。無垢材よりは低価格で、木の温もりを演出することができます。
 断熱性が高く見栄えも良いのが特徴ですが、水に濡れたり手入れを怠ったりするとカビが生えやすく劣化が早いのが難点です。

4. “タイル”


 さまざまな色と形で、好みのデザインを演出できるのが魅力のタイル張りの壁。耐久性が高く、耐火性もあるタイルは、キッチンやトイレまわりに取り入れられることが多いです。タイルをアクセントにして、ポップで個性的な内装を作れるのも魅力です。デメリットとしては、カビが生えた時の手入れが大変な点が挙げられます。また地震などの影響で、ひび割れや剥落の可能性がある点は覚悟しておかなければならないでしょう。
 

5.“コンクリート”


 スタイリッシュな雰囲気が人気のコンクリート。コンクリートは防火性に優れ、火災保険料が安くなるのも魅力です。広々とした雰囲気のある世界観が作れる一方で、デメリットもあります。まずは吸水性が無く、カビが生えやすい点です。これは、飲食店にとって見過ごせないポイントではないでしょうか。また、夏は暑く冬は寒いので、空調のコストが高くなるのも懸念材料といえるでしょう。コンクリートを取り入れる際は、こまめな手入れが必要となります。

雰囲気づくりと機能性の両立を


 自宅の内装とは違い、飲食店では“雰囲気づくりと機能性の両立”に重きを置きましょう。雰囲気づくりを優先して高級な内装建材を使用しても、気候や風土に合わず、補修工事が必要となる場合もあります。また、機能性だけを重視して内装建材を選択しても、お店のコンセプトに合っていなければ、お客様の心を掴むのは困難です。
 お店のコンセプトやに沿った、機能性ある内装建材を選び、お客様にとって居心地の良い空間を作り上げていきましょう。
 
開店ポータル編集部
2018/04/12