労務管理

知っておきたい“就業規則”の基本と3つの記載事項

開店ポータル編集部
2018/04/05
 
 “就業規則”とは、従業員が守らなくてはいけないルールが定められている職場のルールブックです。なんとなくは知っていても、そもそも自分の会社に必要なものなのかどうか、また、実際に作成するとなると何を記載すれば良いのか、分からない点も多々あるのではないでしょうか。今回は、会社と従業員を守るための“ルールブック”である就業規則の基本について見ていきましょう。

就業規則とは

 会社が従業員を雇う際の“ルールブック”と言えるのが、就業規則になります。会社には多くの従業員が在籍しています。その一人ひとりに対して細かなルールを設けることは、人数によっては不可能と言えるでしょう。そのため、労働時間賃金休日罰則などについて、全従業員に統一のルールを設ける必要があります。それが就業規則です。
 就業規則を作成することは、従業員とのトラブルを未然に防ぐことができます。会社を守ることはもちろん、従業員に安心して働いてもらうためにも、就業規則は必要であると言えるでしょう。

作成義務の条件について

 そもそも就業規則は、必ず作成しなければならないものなのでしょうか。労働基準法では以下の通りに定められています。
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。(労働基準法 第89条)
 つまり、会社で従業員を常時10人以上雇う場合は就業規則を作成し、行政官庁(労働基準監督署)に届け出なければいけないのです。

“常時10人”に注意!

 ここで注意しておきたいのが、就業規則は会社単位で作成するのではなく、店舗や支社などの“事業場単位”で作成しなければならないということです。正社員だけではなく、継続した従業員であれば雇用形態にかかわらず、パートタイムやアルバイトなども“常時10人”にカウントされるので注意してください。
 もし、条件が当てはまるのにも関わらず就業規則を作成していない場合は、30万円以下の罰金が科せられることになります(労働基準法120条)。罰則があることも頭に入れておきたいところですが、就業規則は会社と従業員との“労働契約”にあたることを肝に銘じ、会社にとっても従業員にとっても重要なものであることを理解しましょう。

義務がなくても作っておきたい就業規則

 常時10人の従業員を雇っていない会社は、就業規則を作成しなくとも労働基準法違反にはなりません。作成には手間と時間が掛かるので「デメリットばかりだ。」と思われがちですが、沢山のメリットもあります。会社と従業員の間で起こりがちなトラブルを未然に防ぎ、円滑な業務運営ができる点です。そのため、従業員を雇用する際には、義務のあるなしに関わらず、就業規則を作成したほうが良いと言えるでしょう。

就業規則に定めるべき内容

 就業規則に記載する内容は、大きく分けて3つ。絶対的必要記載事項相対的必要記載事項任意記載事項です。細かく見ていきましょう。

1.絶対的必要記載事項



 業種や雇用条件などに関係なく、共通して必ず就業規則に定めなければならないものが“絶対的必要記載事項”になります。

■労働時間
 業務の開始時刻と終了時刻を記載します。法律で決められた労働時間を遵守しなければなりません。

■休日と特別な休暇
 休憩時刻を記載します。その際は、“12:00~13:00の1時間”など具体的な時間を記してください。労働基準法に休憩時間に関する決まりが定めてあるので、よく確認しながら作成にあたりましょう。また、会社の休日や有給休暇、特別休暇などの休暇日に関する詳細も記載する必要があります。

■交代制の就業時転換
 飲食店や工場などで、早番・遅番など交代で業務にあたる場合は、その具体的な時間についても記載します。

■給与
 給与の決定、算出方法、支払い方法、給与の締切日、支払日、給与額を記載します。基本給と各種手当、時間外労働や休日労働の割増給与率の詳細なども必要です。また、賞与は給与に含まれませんので注意してください。
 この給与に関しては、細かい取り決めがあるため“給与規定”や“賃金規定”として別に定められていることが一般的です。

■昇給
 昇給の具体的な時期を記載します。会社の業績に応じる場合や、不定期の場合はその旨を記載する必要があります。

■退職と解雇
 雇用期間の満了や自己都合退職、休職期間満了、死亡など様々な事由について記載します。このほか、退職の申告時期、支給品、手続き方法なども明確に記載しましょう。定年退職制度、継続雇用制度を導入している場合は、年齢や時期を明記します。

2.相対的必要記載事項

 事業場ごとに定める事項がある場合に、それらを記載しなければならない項目です。次に該当する取り決めがある場合は、盛り込むようにしてください。

■退職手当
 退職者へ手当を支給する場合は、ルールを明記しなければなりません。適用される範囲や算出方法、支給の方法、時期について記載する必要があります。

■臨時の賃金と最低賃金
 臨時で支払われる給与が存在する場合の詳細を記載します。最低賃金額も必要です。各都道府県に定められている最低賃金額を下回らないように注意してください。

■費用の負担
 経費と費用分担についての項目です。従業員の食費や、作業用品などの負担額の割合を記載します。

■安全衛生
 労働安全衛生法に関する項目です。火災、震災など災害発生時の対処や指示系統について記載します。

■社内研修
 新人研修や管理職研修が行われている場合は、その期間と内容を記載します。また、試用期間が設けられている場合にも明記する必要があります。

■災害補償、傷病扶助
 業務中や通勤途中に起こった事故や怪我に対しての補償制度についての項目です。また、業務外の災害、怪我、病気の扶助制度も含まれます。

■表彰と制裁
 表彰制度がある場合は種類や対象、審査基準を明記します。また、制裁制度も存在する場合についても同様に記載しましょう。

■その他
 上記以外の内容で、事業場の従業員全員に適用される規則を定める際に含まれます。

3.任意記載事項

 こちらの項目は、上記以外で法律に違反しない内容であれば任意で記載できます。比較的自由に記入できるので、企業理念や今後の目標、展開、熱意などが伝わる内容にするのも良いでしょう。


会社と従業員を守るため

 就業規則には、絶対的必要記載事項相対的必要記載事項任意記載事項といった記載すべき事項が定められています。就業規則を作成する際には、会社のあるべき姿を考えなければなりません。しかし、そのプロセスも、会社経営においては重要な要素であることは言うまでもありませんよね。手間のかかる作業だからと敬遠するのではなく、会社と従業員を守るための“ルールブック”として就業規則を作成しましょう。

 

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2018/04/05