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営業時間・定休日はどう決める?集客に効果的な決め方を業態別に調べてみた

開店ポータル編集部
2019/11/18
 飲食店を開くときに決めるべきことはたくさんありますが、意外と悩むのが営業時間と定休日です。

 効果的にお客さまを集め、売上を得るためには、ターゲット層や立地を考えて営業時間を決めなければなりません。
 本記事では、営業時間と定休日を決めるときの基本と、業態に合わせた営業時間の決め方をまとめました。

営業時間・定休日を決めるときの基本

【営業時間】
 午前11時から午後14時、そして午後17時から20時前後は、飲食店がもっとも賑わう時間帯です。
 このふたつの時間帯は業態にかかわらず、営業時間に入れておくと間違いないでしょう。ですが、ランチとディナーどちらかのみ営業するお店は、この限りではありません。業態別営業時間の決め方の詳細については、後述します。

【定休日】
 定休日の決定はターゲット層や立地に左右されます。曜日毎の人の流れを確認したうえで決定しましょう。オープンしてからしばらくの間は、お客さまの出入りの様子を見る期間でもあります。一般的な営業時間と定休日に決めておいて、ニーズに合わせて変えていってもよいでしょう。

 多くの飲食店の書き入れどきは、土曜日と日曜日です。そのため、土日の2日間は営業し、月曜日を定休日とするお店が多いです。ただし、月曜日が祝日の場合は土・日に続く稼ぎどきとなるため、月曜日よりも火曜日を定休日とするお店が増えているようです。

 また、さまざまな都合により、定休日を設けていないお店もあります。その場合は不定休となりますが、「せっかく来たのにお休みだった」とお客さまをガッカリさせることになりかねません。定休日を決めない場合は、ホームページやSNSなどで、その月の休業日をアナウンスしておきましょう。

 お盆や年末年始を除き、無休で営業するお店もあります。お客さまは喜んでくれますが、働くスタッフにとってはかなりハード。全員が均等に休めるようなシフト管理や採用を心がけましょう。

業態別営業時間の決め方

 ひとことで飲食店といっても、居酒屋やカフェ、ラーメン店、レストランなどさまざまな業態があります。そして、その一つひとつには、それぞれに適した営業時間があります。

 以下で、居酒屋、カフェ、ラーメン店、レストランにあった営業時間の設定方法を見ていきましょう。

①居酒屋


 居酒屋のメインの客層は、仕事帰りのサラリーマンやOLです。仕事が終わる17時前後を目安に開店し、深夜の1時や2時、長ければ明け方まで営業するお店もあります。

 立ち飲みスタイルの居酒屋などでは、15時ごろからお店を開けているところもあります。営業時間は、各店舗でまちまちといえるでしょう。
 オフィス街であれば、朝定食やランチの需要も見込めます。居酒屋=夜の営業と決めつけずに、潜在ニーズがないか調べてみましょう。

 居酒屋の場合、営業時間を決めるうえでの注意点がふたつあります。
 まずひとつは、深夜0時以降も営業する場合は、「深夜酒類提供飲食店」として公安委員会に届け出をしなければならないこと。この届け出を怠ると、警察署から指導が入り、営業を続けられなくなってしまいます。

 もうひとつは、ラストオーダーの時間をきちんとお客さまに伝えること。
 小さな居酒屋であれば、一応の閉店時間を決めつつ、最後のお客さまが帰るまでお店を開けている場合もあるでしょう。それはいいのですが、ラストオーダーの時間をあやふやにすると、厨房の清掃などの閉店業務にいつまでも取りかかれません。

②カフェ

 出勤前にカフェに立ち寄り、モーニングを楽しむサラリーマンが増えています。駅や幹線道路の近くにあるカフェは、その傾向が強いでしょう。
 モーニングを提供するのであれば、朝の7時から8時が開店時間の目安です。モーニングがなくランチ営業がメインの場合は、午前11時ごろの開店が望ましいでしょう。

・朝
出勤前のサラリーマンやOL
・昼から夕方
平日は主婦やお年寄り、休日は家族連れやカップル
・夜
仕事帰りのサラリーマンやOL、学生

 このように時間帯にばらつきはありますが、カフェは老若男女のお客さまを集めやすい業態です。閉店時間を何時にするか迷いますが、これは立地次第でしょう。

 「夜は人通りが少ないから」と閉店時間を早めるオーナーもいますが、住宅街だからこそ夜の集客が見込める場合もあります。
 忙しかった一日の終わりに、帰宅前にカフェでホッとひと息つきたいお客さまも多くいます。夜の20時から21時ごろまで営業すると、仕事帰りのお客さまを取り込めるかもしれません。

 しかし、カフェは規模の小さいお店が多いので、オーナーは「これくらいならひとりでもがんばれる」と無理をしがち。営業時間が長くなるほど負担が大きくなるので、無理のない範囲で営業時間を設定しましょう。

③ラーメン店

 ラーメン店では、毎朝スープの仕込みがあります。体力を使うため、営業時間を長くしすぎると負担が大きくなってしまいます。実働時間は8時間前後にするとよいでしょう。

 営業時間は、一般的に11時~14時、アイドルタイムをはさんで17時~21時前後までのお店が多いです。
 また、ターゲットや立地によって、お昼と夜のどちらをメインに営業するかが変わります。お昼から開店し、スープがなくなり次第終了というお店もあれば、ランチ営業をせずに夕方から夜にかけて営業するお店もあります。

 繁華街など集客がしやすい場合は、日付をまたぐころまで営業するのもよいでしょう。サラリーマンがシメの一杯を食べに来てくれたり、夜遅い職業の人たちが、仕事帰りに夕食をとりに来てくれたりと、さまざまなニーズがあります。

④レストラン

 レストランは、主婦やお年寄り、家族連れ、カップルなど、幅広いお客さまをターゲットにできます。「休日は遅く起きてブランチを食べたい」、「遅めのランチを楽しみたい」というニーズもあるので、午前10時半から午後15時ごろまでをランチタイムとするのがいいですね。

 ディナーの時間帯までは、カフェタイムとしてドリンクやスイーツに力を入れて営業するのもよいでしょう。おしゃべりをしに立ち寄る主婦や、小さな子どもを持つお母さんを集めやすくなります。

 ビジネス街にあるレストランの場合、営業時間を会社のお昼休みに合わせる必要があります。午前11時ごろからお店を開け、ピークの時間帯(12時から14時)を余裕を持って迎えましょう。このピークを乗り越えると一気にお客さまの数が減るので、午後はアイドルタイムを設けてもいいかもしれません。
 17時をまわると、仕事を終えて夕食のお店を探しはじめるお客さまが増えます。ディナータイムは17時から22時前後に設定しましょう。

ダラダラ営業は経費のムダ


 営業時間を決めるときは、「営業時間の長さと売上は比例しない」ということを頭にいれておいてください。

 営業時間中はいつでもお客さまを迎えられるよう、空調や照明をつけ、スタッフを揃えておかなければなりません。お店を開けていれば、たとえお客さまの数が0でも、何かしらのコストがかかっています。水道光熱費、人件費、食材などさまざまな経費のムダは、経営を圧迫します。売上を期待して営業時間を長くとるよりも、スパッと閉店時間を早めたほうがプラスになる場合もあります。

 ただし、駅前の飲食店街などにあるお店は、あまり早い時間に閉店すると販売機会を逃します。立地はもちろん、ターゲットが来店しやすい時間帯、業態ごとの一般的な営業時間などを参考に、営業時間を決めましょう。

さいごに

 定休日を何曜日にするか迷ったときは、近くのライバル店の定休日を調べて、あえてその日は営業するのもいいでしょう。ほかのお店がお休みの日に開いていると、お客さまが流れてくることも多いです。ライバル店の情報も、営業時間・定休日を決めるときの材料になります。

 発注伝票や売上の計算、明日の準備など、オーナーがやらなければならない仕事は営業時間外にもたくさんあります。体力面でも、経営面でも無理のない、売上アップが期待できる営業時間と定休日を設定しましょう。

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開店ポータル編集部
2019/11/18