スタッフ育成

飲食店の「スタッフ育成・教育マニュアル」の作り方を知ろう

開店ポータル編集部
2018/10/25
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 働いているスタッフのイメージは、お店のイメージに直結します。スタッフが笑顔でテキパキと対応してくれるお店に対しては、誰もが良い印象を持ちますよね。あらゆる仕事を臨機応変にこなしつつ、営業を支えてくれるスタッフは、集客や売上にも貢献するお店の財産です。

 長く続く繁盛店になるためには、スタッフに気持ちよく働いてもらいつつ、お客様満足度を高めていかなければなりません。そこで必要となるのが、業務の要点を押さえた、分かりやすい教育マニュアルです。

教育マニュアルをつくる目的

 教育マニュアルをつくる最大の目的は、お店の目指す姿や、何の仕事をどうこなせばいいのかという基準をスタッフに示すことです。
 まずは、お店のコンセプトや経営理念を明記しましょう。オーナーとスタッフ、そしてスタッフ同士の意識がズレていてはなりません。

 たとえば、2軒のレストランを思い浮かべてみてください。一方はファミリー向けの賑やかなお店、もう一方は、デートや記念日に使える上品なお店です。元気よくてきぱきとした接客が望ましいのか、しっとりと落ち着いた接客が望ましいのか。業態は同じでも、コンセプトによって接客の仕方が異なるということが分かるでしょう。コンセプトを示してスタッフの意識を統一することは、お店のブランディングにもつながります。

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教育マニュアル作成の4つのステップとは?

 教育マニュアルは、業務とその内容を「点」でリストアップし、「線」つまりオペレーション(業務の流れ)に落とし込むという手順で作成します
 具体的な流れをみてみましょう。
 
Step①:やるべき業務をリストアップする
Step②:業務の内容を6W1Hを交えて説明する
Step③:マニュアルをオペレーションに落とし込む
Step④:イレギュラーな事態を想定する


 以下で一つずつ見ていきましょう。

Step①:やるべき業務をリストアップする

 まずは、開店業務、仕込み、オーダー取り、接客、電話対応、片付け、清掃、閉店業務というように、やるべき業務をリストアップしましょう。

 このとき、ホール業務とキッチン業務など、業務毎に分けておくのが望ましいです。開店業務であれば「客席の照明をつける」、「テーブルのナプキンや調味料を補充する」というように、さらに細かい業務に分けていきます。

Step②:業務の内容を6W1Hを交えて説明する

 業務をリストアップしたら、備品補充であれば備品の種類や保管場所、調理であれば各メニューの仕込みや盛り付けの方法など、詳しい説明をします。このときにしておきたいのが、その仕事の意義を6W1Hで示すことです。

 ハンバーグの仕込みを例にみてみましょう。
①When=いつ
ブロック肉が納品されたら
②Where=どこで
調理台の脇で
③Who=誰が
キッチン責任者が
④What=何を
ハンバーグに使う肉を挽く
⑤Why=なぜ
冷蔵庫のストックが少ないから
⑥Whom=誰に向けて
ランチタイムに来店するお客様のために
⑦Howどのように
調理マニュアルを見ながら

 「なぜその仕事をしなければならないのか」を理解していれば、雑に取り組んで失敗することもなくなります。分かりやすいように、写真やイラストを盛り込むとよいでしょう。

Step③:マニュアルをオペレーションに落とし込む

 ここまでくると、各業務とそのやり方が明確にされた「点」のマニュアルができあがっています。各マニュアルを次のようなオペレーションに落とし込み、「線」が見えるようにしましょう。

【ホール業務】
開店業務→お迎え→オーダー取り→料理のサーブ→会計→片付け→レジ締め→フロア清掃→閉店業務
【キッチン業務】
納品食材の確認→前日の在庫を確認→仕込み→調理→洗い物→キッチン清掃→棚卸し→ゴミ出し

Step④:イレギュラーな事態を想定する

 通常の業務以外にも、次のようなイレギュラーな事態に見舞われることがあります。

・悪天候のため、食材の納品が開店に間に合わない
・料理をこぼし、お客様の衣服や持ち物を汚してしまった
・レジの金額が帳簿と合わない
・理不尽なクレームを受けた
・テイクアウト用の容器を営業中に切らしてしまった


 すぐに対応できるものから、経営を揺るがしかねない深刻なものまで、さまざまなトラブルを想定した対策を講じておきましょう。各部門の責任者は誰なのか、責任者が不在のときは誰に指示を仰ぐべきかを、明確にしなければなりません。

 「うちのお店では、こんなことは起きない」という油断は禁物です。スタッフの混乱を防ぎ、お客様に不安を与えないためにも、イレギュラーな事態への対策は必須。スタッフがいつでも確認できるよう、休憩室やバックヤードなどにもマニュアルを置いておくとよいでしょう。

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定期的な見直しで時代が求めるサービスを

 教育マニュアルを作成したら、定期的に見直しをすることが大切です。時代の流れに応じて、お客様の求めるサービスに寄り沿ったマニュアルを考案しましょう。研修を終えたスタッフからフィードバックをもらったり、すでに活用しているスタッフの意見を取り入れて、改訂を重ねていくのもいいですね。

 そして、マニュアルはあくまでお店の「基準」を示すもの。マニュアルに頼りきって、判断力や自主性が育たないのでは本末転倒です。基準をクリアにした後は、スタッフの人物面を尊重し、その人ならではの接客スタイルを磨いてもらいましょう。スタッフ一人ひとりのファンをつくることは、お店のファンを増やします。繁盛店になるための近道は、意外なところにあるのです。

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