資金計画

ラーメン屋開業 コストを抑えた始め方と必要な資金にいて

開店ポータル編集部
2020/02/26
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 ラーメン店は、飲食店の中でも比較的参入しやすい一方、廃業率も高い業態です。ラーメンのおいしさや、他店に埋もれないオリジナリティに加えて、生き残るお店になるために大切なことがもうひとつあります。それは、開業時にかかる初期費用をなるべく抑えること。手元に資金を多く残しておくことで、お店が軌道に乗るまでの間も資金繰りが安定し、経営破綻のリスクを回避できます。

 本記事では、ラーメン店の開業にかかる費用の内訳と、低コストで開業するための方法をお伝えします。

ラーメン屋の開業には、どれくらいの開業資金が必要?


 東京都内で10坪ほどの物件でラーメン店を開くとなると、物件取得費、内外装工事費、開業費(厨房機器、家具、備品、チラシ制作など)を合わせて1,000万円前後の費用がかかります。

 しかし、開業資金がどれくらい必要になるかはケースバイケース。居抜き物件を探す、10坪以下の狭い店舗を選ぶ、立地に好条件を求めないといった工夫しだいで、100万~500万円程度の資金でまかなえる場合もあります。

 開業資金は「設備資金」と「運転資金」に大きく分けられます。それぞれどのような費用が含まれているのかみていきましょう。

ラーメン屋開業時の設備資金について


 設備資金とは、土地や建物、厨房機器などの固定資産を購入するための費用です。入居時に支払う保証金や仲介手数料などは「物件取得費」とよばれ、設備資金に含まれます。

保証金

 保証金(敷金)は、退去時の壁の汚れ、床の傷などの修繕に充てる費用として入居時に支払うお金です。金額は家賃の6か月分が目安です。

礼金、仲介手数料

 礼金は物件の管理者へ、仲介手数料は不動産会社へお礼として支払うお金です。礼金や仲介手数料は、ある物件とない物件があるので契約内容をよく確認しましょう。どちらも、家賃の1ヶ月分が目安です。

厨房機器

 ラーメン店に必要な厨房機器は、冷凍冷蔵庫、シンク、ガスコンロ、作業台、製氷機、製麺機、麺茹で機、ローレンジ、炊飯器などです。新品で揃えるとかなりの高額になりますが、中古品やリースを利用することで初期費用を抑えることができます。

製麺機

 自家製麺を売りにする場合は、製麺機が必要です。本格的なものだと数百万円するため初期費用がかさみますが、メーカーから麺を仕入れる場合も継続的に費用がかかります。
 製麺機に初期投資するのと、麺の仕入れ代を支払い続けるのとどちらが負担が少ないか、検討しましょう。

券売機

 券売機も安くはありませんが、導入することでレジが不要になり、人件費のカットにもつながります。1,000円札のみに対応しているものと、5,000円札や10,000円札にも対応しているものがあり、後者は高額になります。

内外装工事費

 居抜き物件を選ぶと、前に営業していたお店の内装やテーブル、椅子などをそのまま使えるので、内外装工事費がかかりません。ただし、内装を引き継ぐための譲渡料を支払わなければならない場合もあります。

ラーメン屋開業時の運転資金について


 運転資金は固定費とも呼ばれ、経営を続ける上で必要な家賃や水道光熱費、人件費などが含まれます。開業時はこれらの運転資金を、6ヶ月分を目安にストックしておきましょう。

家賃

 家賃は、売上の10%以下に抑えることが望ましいとされています。出店場所によって大きく金額が変わり、駅前の一等地などではかなり高くなります。

水道光熱費

 出店エリアや厨房の広さにもよりますが、1坪あたり1万円前後はかかります。ラーメン店ではスープの仕込みがあるので、ガス代と水道代はかなり高くなります。特にガス代は、月に10万円以上かかる場合もあるでしょう。
 製麺機に水を供給し続ける必要があるため、自家製麺の場合は水道代も高くなります。

人件費

 オーナー自ら厨房に立つ場合は、スタッフを1~2人ほど雇いたいところ。人件費には、毎月の給与のほかに交通費の手当、社会保険料なども含まれます。

リース料

 製麺機、麺茹で機、冷凍冷蔵庫、ガスコンロ、食洗機などをリースする場合は、毎月リース料がかかります。契約期間を終えて不要になった場合、リース会社が引き取ってくれるので処分費用はかかりません。

材料費

 麺、豚骨や鶏ガラ、チャーシュー用の肉、野菜、餃子の皮などの仕入れ代金です。麺や餃子の皮は、メーカーから仕入れるか自家製にするかで材料費が変動します。

広告宣伝費

 グルメサイトへの掲載料、チラシ制作費、ホームページ制作費などが含まれます。

備品の購入費

調理器具…包丁、おたま、フライ返し、てぼなど
食器類…丼、皿、グラス、ジョッキ、レンゲなど
消耗品…紙ナプキン、おしぼり、割り箸など
事務用品…レジロール、伝票、カルトン、ペン、テープなど

 先ほど「運転資金は6ヶ月分を目安にストックしておく」とお話ししました。その理由は、資金不足から経営を続けられなくなり、廃業に追い込まれるのを防ぐためです。

 一般的に飲食店は、オープン景気が収まると客足が遠のき、思うように集客ができない日々が続きます。経営が軌道に乗るまで、半年から2年は赤字が続くことを覚悟しなければなりません。

 そんなとき、手元にまとまった額の運転資金があれば、各種支払いに充てることができます。「資金が足りない」と焦って食材の質を下げたり、営業時間をコロコロ変えたりして、経営方針を見失うこともありません。
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コストを抑えてラーメン店をはじめる方法

 運転資金を確保するためには、初期費用を低く抑えることが大切です。ここでは、低コストでラーメン店を開業する5つの方法をご紹介します。

①居抜き物件を借りる
②家賃の安い物件を選ぶ
③厨房機器を安く揃える
④自家製麺にこだわらない
⑤メニューを絞る
⑥フランチャイズで開業する


①居抜き物件を借りる

 居抜き物件とは、以前そこで営業していた飲食店が、内装をスケルトンに戻さずに退去した物件。厨房機器や空調設備、テーブルや椅子などをそのまま使うことができます。
 インターネット上には居抜き物件の検索サイトがいくつもあり、全国の居抜き物件を探すことができます。希望条件に合った物件を探してみましょう。

 設備は無料で譲渡される場合もありますが、数十万円の造作譲渡料がかかる場合もあります。条件についての記載はよく確認しましょう。物件を探すときは、「造作譲渡料なし」という条件で絞り込むと安心です。

②家賃の安い物件を選ぶ

 家賃は、万が一病気やケガでお店を開けられなくなっても、かかり続ける費用です。そのため、いかに家賃の低い物件を借りられるかが、その後の資金繰りに大きく影響します。

 たとえば、「駅の近く」「新築物件」「駐車場の台数が多い」といった好条件がそろうほど、家賃も高くなります。そのような立地条件にこだわらないことで、家賃の負担を少なくできます。可能であれば、自宅を改装してお店にするのもいいですね。

 一般的にラーメン店は、リピータ―ができて口コミが広まれば、多少立地が悪くても集客が見込めます。まずは家賃の低い場所で開業し、事業を成長させてから立地のいい場所に進出する、というやり方も視野に入れてみてください。

③厨房機器を安く揃える

 ラーメン店には、スープの仕込みに使う寸胴鍋、麺を茹でるための釜、スープを温めるためのローレンジ、ガスコンロ、製氷機などさまざまな厨房機器が必要です。しかしすべてを新品で揃えると、とんでもない出費になってしまいます。

 しかし業務用厨房機器は、リサイクルショップやネットオークションでかなりの数が販売されています。ラーメン店は開業も多ければ撤退も多いため、ほんの数年使っただけの厨房機器が下取りされ、多く出回っている現状です。
 中古というとボロボロのイメージがありますが、コンディションのいい新品同然の商品にめぐり合えることも多いです。新品と違って納期が短いのも、忙しいオープン準備期間にはうれしいポイント。「つぶれたどこかのお店のものを使い回すなんて…」と敬遠せず、利用する価値は大いにあります。

④自家製麺にこだわらない

 自家製麺を売りにする場合は、製麺機を購入しなければなりません。本格的なものであれば、少なくとも300万円はかかるでしょう。

 自家製麺へのこだわりが特になければ、麺は外注することで初期費用を抑えられます。
 そのかわりに、自家製麺以外でお客さまにアピールできるこだわりポイントをつくってみましょう。たとえば、ラーメンの種類に合わせて選りすぐった複数の麺を使う、メーカーと共同でお店オリジナルの麺を開発するなどです。

⑤メニューを絞る

 ラーメン一杯にかかる材料費は、種類によって変わります。一般的に、醤油ラーメンは200円、豚骨ラーメンは250円、味噌ラーメンは300円といわれています。

 原価率の低い醤油ラーメンでも、月に30日お店を開けて一日100杯売るとすれば、200×100×30=ひと月あたり60万円の材料費がかかります。もちろん、ラーメンは一種類だけではないでしょうし、餃子やチャーハンなどのサイドメニュー、トッピングのチャーシューや煮卵にも材料費はかかります。

 あれこれとメニューを増やさず、本当に食べてほしいラーメンと、サイドメニューをそれぞれ数種類に絞って勝負するとよいでしょう。メニューが少ないと一品一品のクオリティが上がり、お客さまを喜ばせることにつながります。

⑥フランチャイズで開業する

 フランチャイズとは、本部と契約を結び、チェーン店のひとつとして開業することです。全国的に知られている『町田商店』や『らあめん花⽉嵐』や、『一竜』などがフランチャイズにあたります。

★『町田商店』田川社長 取材記事★
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【東京・町田】ストーリーのある一杯を。『町田商店 本店』で垣間見たラーメン職人の熱き想い


 フランチャイズ開業は、あらかじめ物件が指定されていることもあり、物件取得費などは本部が負担してくれる場合も。初期費用が抑えられるため、個人で開業する場合の半額以下の費用で済むこともあります。

 オープン後も本部から経営ノウハウを教えてもらえるため、オーナー経験がない人や、ラーメン業界で働いたことのない人も不安なく経営ができます。すでに知名度のあるラーメンチェーンであれば、集客に困らないため軌道に乗るのが早いです。

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 コンセプト、物件や立地の条件、自家製麺か外注か。どこにこだわり、どこで出費を抑えるかの線引きをすることで、低コストでのラーメン店開業が叶います。
 長く生き残るラーメン店にするには、よいスタートダッシュを切ることが肝心です。本記事を参考に初期費用を抑える工夫をし、気持ちに余裕のある経営を目指しましょう。
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