経営支援

飲食店の家族経営は危険?長く続く個人店が気をつけているポイント

開店ポータル編集部
2018/06/22
 お店を開業するにあたり、家族に手伝ってもらったり、夫婦二人三脚ではじめたりと、家族で経営するケースが多く見られます。新しく何かをはじめるとき、家族の精神的支えは大きな安心材料になりますよね。

 信頼ができ安心感のある家族と一緒に運営できるなんて、とても心づよいこと。経費の面からも、従業員の人件費を丸ごと家庭の収入にできるうえ、持ち家ならば家賃もかからないなど、経営者にとっては良いことがたくさんあります。しかし、お客さまや従業員から見ると気になってしまうこともあるようです。長く続く個人店が気をつけている6つのポイントをご紹介します。

一見さんが入りにくい雰囲気を作らない

 気心の知れた家族と、あうんの呼吸で切り盛りしていけるのが家族経営最大の魅力です。ご主人が厨房で腕を振るい、奥さまがホールで接客をする場合、和気あいあいとした雰囲気と息の合った夫婦のやり取りは、他人同士ではなかなか生み出せないもの。しかし裏を返すと、この和やかな空気が閉鎖的な空間をつくってしまい、昔からの知人や親戚などの身内しか寄せつけない雰囲気を作ってしまうこともあります。内輪で盛り上がる関係ができてしまうと、新規のお客さまは居心地の悪い思いをしてしまいます。営業中は業務に徹して、一定の緊張感を維持することが大切です。

家族喧嘩を店に持ち込まない

 家族仲が良すぎても気のゆるみが生まれますが、悪すぎる場合は目も当てられません。どんなに仲が悪くても家族でお店に立つ以上、仕事としてやり取りをしなければなりません。家族間の仲が悪くなると、つい口が悪くなり、横柄な態度をとってしまいがちです。

 飲食店は食事をするだけでなく、お客さま同士のコミュニケーションの場でもあります。店員同士の険悪なムードの中では、お客さまが気持ちよく食事し、円滑なコミュニケーションが取れるはずもありません。家族喧嘩が起きた場合は早めに解決し、職場にわだかまりを持ち込まないよう公私を分けて業務に徹しましょう。

緊張感を持たせる

 特に持ち家で家族経営をする場合は通勤時間が無いため、オンとオフの切り替えが無くなり、緊張感が薄くなる可能性があります。身内のすることに甘くなり、衛生面やサービス面で気が緩みがちです。
 そういったときには、オンとオフのスイッチを切り替えるポイントを設定しましょう。制服を導入したり、職場では「お父さん・お母さん」などの呼称は使わず「店長・女将さん・オーナー・シェフ」などの役職で呼びあいましょう。家族であっても敬語を使用することで緊張感が生まれ、仕事への意識が生まれます。

従業員の扱いには「平等」を心がける

 これは家族以外にも従業員を雇っている場合に起こりやすいトラブルですが、身内に対して甘くなったり、また、逆に身内をないがしろにりするケースがあります。第三者である従業員が入ることによって格差が生まれ、お互いに不満を抱きやすくなってしまうのです。

 給与面に関しても、身内の給与を高くしたり、また不当に安くしたりするのは問題です。職場である以上、身内か他人かで線引きをして差をつけるのは好ましくありません。店舗内では一人ひとり独立した従業員と雇い主という立場を維持し、お互いを尊重し合いましょう。

■代替わり・事業継承時の注意点

 親であるオーナーがリタイアし、親から子に代替わりする場合、そのまま経営を続けることはできません。親であるオーナーは廃業届を提出し、子である譲渡先は開業届を提出し、営業に一旦区切りをつける必要があります

 子に無償で譲渡する場合は贈与税が発生しますし、子に売却する場合も、子は親の資産を買い取るために契約を交わす必要があります。無届で経営者を変えたまま営業することは、たとえ親子間での代替わりであっても無許可営業とみなされ、2年以下の懲役刑や200万円以下の罰金が発生します。あくまで、個人事業主同士の契約を進める認識で、きちんと手続きをおこないましょう。

さいごに


 気心の知れた家族だからこそ生まれやすい、家族経営のトラブルやさまざまな注意点。仲が良くとも悪くとも、職場である店内ではお互い独立したスタッフの一人です。

 他の従業員と差をつけたり、家族間の問題をお店に持ち込むことのないよう、公私をきちんと分けましょう。しかし、苦しい時も支え合えるのが家族経営の良いところ。お互いを尊重し、気持ちのいい関係でお店を経営していきましょう。

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2018/06/22