開業手続き

独立開業|美容室の開業に必要な資格と準備物について徹底解説【相談無料】

開店ポータル編集部
2021/05/20


美容師という仕事に魅力ややりがいを感じ、中にはこれから独立する準備を始める方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際に美容室を開業するまでの間というのは、考えていかなけらばならないことが山積みです。

 

そこで今回は、開業までのステップとして必要な資格や準備物について徹底解説していきます。自分の店舗を開業するイメージをしっかり持ち今後の参考にされてみてください。

2021年の美容室の現状と実態

コロナ禍前より客単価、来客数、売上が上昇

2020年、最初にコロナ感染予防対策として緊急事態宣言が発動された当初は、美容師とお客との施術中での距離が近いことなどで、売上や客足にも大きく影響が出たものの、あれから1年、現在ではコロナ禍以前よりも売上や客足が伸びたといいます。

 

というのも、(株)コルモイデアが来客顧客数21,424人を対象に行った社内調査『美容室におけるコロナ後の消費動向2021』によると、1人あたりの客単価・来客数ともに増加し、それに伴い売上も増加していることが明らかになりました。

 

これは、マスク生活が長引くことにより髪への美意識がより消費者に溶け込んできたことや、テレワークなどオンライン上での顔合わせをすることで、これまで同様美容室の必要性が人々の間に浸透している結果だ、と(株)コルモイデア代表取締役の村井孝行さんは言います。

参考:https://prtimes.jp/a/?f=d66512-20210406-4680.pdf

地域密着型戦略

しかし、一方で売上や客数減少に大きく影響を受けた美容室もあります。


2020年7月15日~7月17日、20~69歳の男女100人に『美容室選びの基準』についてネットリサーチ会社マイクロミルが調査を行ったところ、約6割もの方が地元の美容室を選んでいることが分かりました。コロナ禍に入り気軽に行ける美容室が、消費者の行動範囲内にあるかどうかも売上に影響しているようです。
 

この結果を踏まえ、開業する立地として「地域開業密着型戦略」も検討しておくとよいかもしれません。

美容室開業までの流れ

①事業所計画の策定・コンセプト立案

事業所計画は、融資を受けるさいに重要な役割を果たします。

開業の動機やコンセプト、開業後の売上見込み、そのほかサービスメニューや消耗品等の仕入れ先など売上をどのように黒字化していくかを、論理的で分かりやすく数字での裏付けをしていくことが重要です。

また、コンセプト作製は、明確にターゲットを絞りどのようなサービスを今後提供していくのかビジョンをしっかりと固め、ぶれない理念を掲げることが必要です。

②店舗の物件を選ぶ

店舗の物件選びは、売上や客足にも大きく左右します。

前述したようにコロナ禍では地域密着型の美容室が売上が好調ということもあり、消費者の行動範囲に沿った物件選びも一つの手でしょう。

また、物件が決まっていない段階では、融資を受けることができないうえ物件探しは時間を要します。そのため、何よりも先に物件の下調べを入念にしておくのも良いです。

③資金の調達

『2020年度新規開業実態調査』での資金調達の平均は1,194万円と調査依頼最も少なく、資金調達の内訳が「金融期間等からの借入」が平均825万円、「自己資金」平均266万円となりました。

コロナ禍ということもありますが、やはり最低1000万~は調達しておいた方が良いでしょう。

参考:https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_201119_1.pdf

④店舗工事

店舗工事には、施工工事者との相談から契約までが約2~3ヶ月程度、内装工事の期間が1~2ヶ月程度かかります。
オープン日から逆算し余裕を持って工事依頼を行いましょう。

 

⑤スタッフ採用

スタッフ募集には、応募にかかる日数や面接や採用と時間がかかる作業でもあります。
採用後は、これから一緒に作業していくスタッフでもありますので、どういった方を採用したいのかあらかじめ決めておくと良いです。

⑥保健所・消防署・税務署での諸手続き

1.保健所  

管轄の保健所にて営業許可書を取得しなければ開業を行うことはできません。工事の事前に計画図面を用意し直接相談を行っておけば、営業許可書の手続きの際もスムーズです。

2.消防署

消化器・火災報知器・非常報設備などの基準が満たされているかどうかを確認するために手続きを行います。届け出用紙は、消防署のホームページ内から「防火・防災管理者選任(解任)届出書」をダウンロードできます。

3.税務署

開業手続きは、開業後1ヶ月以内に提出する必要があります。開業手続きについての詳細は下記の記事を参考にご覧ください。

美容室・サロン開業 税務署に提出する「開業届」の書き方を知ろう【相談無料】 

⑦ホームページ作成

ホームページ作成は、美容室の雰囲気や店名・メニューなどを発信したり、集客を行う際にも重要な役割でもありますし、興味を持っていただいた方がそのまま予約を入れてくれる可能性もあるので丁寧に作りこむことが大切です。難しい場合は、プロにお任せするのも良いででょう。

美容室・サロン経営 集客売上アップに役立つ「メニュー作り」のポイントとは 

⑧労働保険関連の手続き

労働保険関連の手続きは、従業員を雇う場合等にも必要になってくるものです。

下記のURLは、厚生労働省山梨労働局労働基準監督署・公共職業安定所によるものです。開業に至って役立つ情報等が記載されていますので、目を通しておくと良いでしょう。

参考:https://jsite.mhlw.go.jp/yamanashi-roudoukyoku/library/yamanashi-roudoukyoku/kantoku/shinkijigyounushi.pdf

 

ここまで大まかに説明してきましたが、開業までにはこの7つのステップをこなしていくことになります。

 

続いて、美容室開業に必要な資格を解説していきます。

美容室開業に必要な資格

美容師免許

厚生労働省指定の美容師養成施設にて所定の学科を取得し、その後、実技試験と学科試験に合格すると国家資格である美容師免許を取得することができます。

 

管理美容師免許

一人で営業する場合は取得の必要はありませんが、従業員を雇うとなった場合には管理衛生管理を行うという目的で設置することが法律で決められています。
 

取得方法は、美容師の免許を取得後3年以上の業務に従事し、なおかつ、厚生労働省の基準に従い都道府県知事が指定した講習会の過程を終了した者が受講できます。

参考:公益財団法人理容師美容師試験研修センター | 管理理容師・管理美容師講習会 | 管理理容師・管理美容師の概要 (rbc.or.jp)

 

将来店舗を拡大したいなど希望している方は、早い段階からスタッフの育成をはじめ管理美容師免許を取得できる人材確保が必要になってきます。

美容室開業に必要な準備品

 

①備品類

  • ・シャンプー/トリートメント/リンス
  • ・ドライヤー
  • ・ヘアアイロン
  • ・カラー/パーマの薬剤/容器
  • ・ロッドアウト容器
  • ・パーマゴム
  • ・保護クリーム
  • ・コーム類
  • ・はけ
  • ・スティック
  • ・ダッカール
  • ・タイマー
  • ・測り
  • ・ペーパー
  • ・イヤーキャップ
  • ・アルミホイル
  • ・ゴム
  • ・タオル
  • ・コットン
  • ・ゴム/ビニール手袋
  • ・ティッシュ
  • ・トイレットペーパー
  • ・石鹸類
  • ・電話
  • ・パソコン

など。

ハサミに関しては、各自で使い慣れたものを準備していると思われますのでその点はそれぞれご確認下さい。
そのほか、必要に応じてブランケットや最近では、雑誌の代わりにタブレットで読み放題を提供している美容室も増えてきています。

②大型機器

  • ・カット椅子
  • ・待合い椅子
  • ・シャンプー台
  • ・デジタルパーマ用機器
  • ・ボイラー/業務用湯沸器
  • ・空気清浄機
  • ・レジ
  • ・ローラーボール

 

そのほか、Wi-Fi環境を整えたりミラーライドを活用し理想のお客様像を分かりやすく提供できる機器を取りつけるなど、それぞれに工夫し大型機器を通して他の店舗との差別化を図っています。

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③インテリア

インテリアは居心地の良い環境を作るために必要ですが、スタート時点ではどうしてもこだわりたいものだけにしコストを抑えるためにも、徐々に揃えていくと良いです。

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まずは、知り合いの美容室を直接見学させて頂くなど、実際に見ながらリスト作成していくことも必要でしょう。

美容室開業前後の注意点

スタッフ育成

スタッフ育成は何よりも必要な準備です。どんなに良い環境を提供できたとしてもスタッフの対応次第では、居心地の悪い空間に変わってしまいます。

技術面では、しっかりステップを踏んでいけるように計画書を作成し視覚化していき、対応面や精神面では自らが手本となるよう、自分自身を省みることも必要です。

保健所立ち入り検査

美容室を開業する際に、保健所の立ち入り検査(開設検査)が入ります。

これは、店内の構造や設備や、衛生面をはじめとした床の素材や消毒設備や流しなど細かい基準に沿って検査行います。


この基準に全てクリアすると「検査確認証」が発行され、営業を行うことができるのですが、その場限りではなくその後も立ち入り検査は行われますので日々衛生的に保つよう心がけが重要です。

集客

スマホの普及やコロナ禍ということもあり、ネット上で完結するホームページやSNSなどを利用した集客方法や、中には来店して頂いたお客様にお礼のハガキを送るなどリピーター獲得に成功している美容室もあります。
 

いくつかの集客方法を組み合わせながら行っていくと良いでしょう。

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美容室独立開業は相談無料の開店ポータルBizまで!

本記事では、美容室の独立開業にあたり必要な資格と準備物について徹底解説いたしました。

 

概要でもお伝えしましたが、この他にも実際には多くの準備が必要となります。開業するまでには、さまざまな不安などつきものですが、記事内でもお伝えした通り他店の美容室を見学することで徐々に不安も解消されていくでしょう。

 

また、専門的な部分も多くありますので見落としなどないか確認の意味でも、開店ポータルBiZをご活用ください。一つずつ不安を取り除きながら理想の美容室作りをお手伝いいたします。

開店ポータル編集部
2021/05/20