開業手続き

飲食店開業時に持っておきたい・持っていなければならない資格とは?

開店ポータル編集部
2018/04/02
 本記事では、飲食店の開業を夢見ている方に取得してほしい、5つの資格をご紹介します。
 飲食店を経営するうえで、持っていなければならない資格もあれば、持っておくべき資格もあります。ビジョンを明確にして、資格取得への一歩を踏み出しましょう。

飲食店開業に必須となる資格とは?


①食品衛生責任者
 
飲食店では、お客様が口にする食品や飲み物の安全が保証されていなければなりません。そのために、店舗や食品の衛生管理を行うのが食品衛生責任者です。食品衛生責任者は経営者本人ではなく従業員でも問題はありませんが、基本的にお店に常駐する人が資格を持つことが望ましいです。食品衛生責任者は有効期限のない資格なので、開業を決めた時点で取得しておくのがベストといえるでしょう。
・取得方法
…最寄りの保健所や衛生局に問い合わせ、都道府県が行う講習を受ける
・受講資格
…特になし
・受講科目
…公衆衛生学、衛生法規、食品衛生学
・講習時間
…6時間以上(1日で終了)
・費用
…10,000円ほど。都道府県により異なる

 また、栄養士や調理師、製菓衛生士、船舶料理士の資格を持っている場合は、上記の講習を受ける必要がありません。一般社団法人東京都食品衛生協会に申請をすることで、食品衛生責任者手帳の交付を受けられます。

②防火管理者

 安全な食品と同じくらい大切なのが、安全な“場所”です。30名以上を収容できる広さのお店を開く場合は、防火管理者の資格が必須となります。防火管理者は、万が一お店で火災が起きた際の消防計画をつくり、防火管理業務を計画的に行う責任者です。避難訓練を実施したり、消化活動に必要な設備や消防用水の点検なども行います。

・取得方法
…各都道府県の消防署に問い合わせ、お店の規模に応じて以下のどちらかの講習を受ける
① 甲種防火管理者
収容人数30名以上、かつ延べ面積が300㎡以上のお店を開く場合(講習期間は2日)
② 乙種防火管理者
収容人数30名以上、かつ延べ面積が300㎡未満のお店を開く場合(講習期間は1日)
・受講資格
…特になし
・受講科目
…防火管理の意義及び制度、火気管理、施設や設備の管理、防火訓練や教育、消防計画など
・費用
…3,000円~5,000円ほど

 なお、防火管理者は食品衛生責任者と兼務することも可能です。講習会場と日時は、一般財団法人 日本防火・防災協会のHP から確認できます。
一般財団法人 日本防火・防災協会HP:http://www.n-bouka.or.jp/

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飲食店開業のために必要な手続き【消防署編】

飲食店開業時に持っておきたい資格とは?

①調理師

 調理師免許は、飲食店開業の際に必ず持っていなければならないと思われがちですが、必須の資格ではありません。ですが、以下の点を考えると、取得しておいて損はないでしょう。

 ①調理師免許を取得すると、食品衛生責任者の資格も同時に取得できる(講習を受けなくてよい)
 ②お客様に“調理師が作ったもの”という安心と信頼を与えられる
 ③調理師養成の学習過程で、調理の際に大切な知識を学べる
 ④社会的に信頼の置ける国家資格なので、開業資金の融資が受けやすい

 調理師試験の概要は以下の通りです。
・受験資格
…施設や飲食店で調理の実務経験(パートやアルバイトでも週4日、1日6時間以上勤務すれば可)を2年以上積んでいること
※調理師養成施設で1年以上学んで卒業した場合、試験は免除
・受験科目

…調理理論、食品衛生学、公衆衛生学、栄養学、食品学、食文化概論
・費用
…6,000円ほど。都道府県により異なる

 調理師試験は、複数都道府県での掛け持ち受験ができます。したがって、東京で試験を受けた方でも、神奈川や埼玉で再チャレンジするということが可能です。
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②栄養士・管理栄養士

 最近では、野菜料理が自慢のカフェやマクロビレストランなど、栄養バランスやヘルシーさを売りにした飲食店が増えています。こういったお店を開く場合、栄養士・管理栄養士の資格を取得しておくことをおすすめします。美容や健康意識の高いお客様なら、“栄養士が作ったご飯”というキャッチフレーズがあるだけで惹きつけられますよね。また、管理栄養士は学ぶ期間と経験を積む期間が必要になるため、一朝一夕では手に入らない資格ですが、メニューに“栄養”や“美容と健康”という付加価値をつけたい方はぜひ取得しましょう。

 栄養士と管理栄養士の違いは以下の通りです。
*栄養士
…都道府県から受け取る免許
 栄養士養成施設で2年以上学び、申請することで取得可能

*管理栄養士
…国から受け取る免許
 4年制の管理栄養士養成施設を卒業し、国家試験を受ける。もしくは、栄養士免許を取得後に一定期間(1~3年)栄養士としての実務経験を積み、国家試験を受ける
・受験科目
…基礎・応用栄養学、栄養教育論など10科目
・費用
…6,800円

③製菓衛生師

 製菓衛生士は、飲食店の管理において食品衛生責任者と同じくらい重要な資格とされています。また、製菓衛生士の資格を持っていると、食品衛生責任者の資格を取得する際に講習を受ける必要がありません。
 製菓衛生士の資格は、カフェやお菓子屋さんを開くために必須ではありませんが、パティシエとして活躍する方のほとんどが持っています。“おいしさや美しさだけでなく、衛生や安全面も問題ないスイーツを作る知識や技術があります”ということを証明できるので、ぜひ持っておきたいですね。

 製菓衛生士試験の概要は以下の通りです。
・受験資格
…製菓衛生士養成施設で1年以上学んで卒業していること、もしくは菓子店などで2年以上菓子製造の実務経験を積んでいること
・受験科目
…衛生法規、公衆衛生学、栄養学、食品学、食品衛生学、製菓理論、製菓実技
・費用
…9,500円ほど

ふぐ調理師、利き酒師、バリスタ、カフェプランナー…「食」の資格はたくさん!

 紹介した以外にも、ふぐ調理師、利き酒師、バリスタ、カフェプランナーなど、食に関する資格はたくさんあります。
 居酒屋なのか、カフェなのか、家庭的なレストランなのか。どんなお店を出したいかによって、取得するべき資格も変わります。

 これから専門学校に通う方、他業種から独立開業にチャレンジする方、今からでも遅くはありません。さっそく勉強を始め、夢に近づきましょう。
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