経理・会計

飲食店経営の会計処理で押さえる勘定科目・仕訳方法について調べた【相談無料】

開店ポータル編集部
2021/12/13
 飲食店を経営するなかで「会計処理」は必須の業務。お客さまから料理やサービスの代金をいただき、仕入業者には食材の代金を支払う――というように、飲食店の経営は毎日のお金の取引で成り立っています。

 販売計画を立てたり、コストを見直すためには、お店の財務諸表である「貸借対照表」や「損益計算書」が必要になります。しかしこれらは、一朝一夕で作成できるものではありません。日々の取引を売上や仕入れ、各種費用などの勘定科目に分けて記録し、お金の出入りを把握しておかなければなりません。

 しかし、会計業務は煩雑で、「何から手を付けていいのかわからない」という方も多いですよね。本記事では、会計業務の基本となる、飲食店のおもな勘定科目と仕訳の方法をご説明します。

会計処理の基本は「日々の取引を記録する」こと

 取引を仕訳する目的は、「お金がどこから入り、何に使ったのか」を把握し、お店の財務状態や利益率を可視化することです。そのため、日々の取引を一つひとつ、現金出納帳に記録しておく必要があります。
 
 飲食店の勘定科目は、売上仕入売掛・買掛金光熱費消耗品費など多くありますが、これらは大きく資産負債純資産収益費用の5つに仕訳できます。
 あるベーカリーを例に、どのような取引が何という勘定科目にあたるのかをみてみましょう。

①あんぱんとメロンパンを売上げた
 売上(資産)
②サンドイッチ店に卸したパンの代金を後日回収する
 売掛金(資産)
③小麦粉の代金を業者に後日支払う
 買掛金(負債)
④メーカーに依頼し、オーブンのメンテナンスをおこなった
 修繕費(費用)

 資産、負債、純資産からお店の財務状態を表したものを「貸借(たいしゃく)対照表」、収益、費用から一定期間のお店の儲けを表したものを「損益計算書」と呼びます。とはいえ、こんな疑問を持つ方もいるでしょう。貸借対照表」と「損益計算書」ってなに? ――前職で会計処理をした経験でもなければ、この疑問が浮かんでくるのは当たり前です。貸借対照表と損益計算書資料を構成する勘定科目と仕訳の方法を、次にまとめました。

貸借対照表について

 貸借対照表は、ある時点でのお店の財務状態を表す資料のことです。
 以下の各勘定科目に仕訳した取引を、資産、負債、純資産に分けて作成します。資産と、負債と純資産の合計が同じ金額になっていることを確かめましょう。

現金

売上、レジや金庫の中の現金、お店の預金口座に入っているお金

商品

販売目的で他社から仕入れた商品

売掛金

クレジットカードの売上や、取引先から後日回収する代金など
→お店が持っているお金(またはお金に換えられるもの)は「資産」に仕訳

借入金

開業時に金融機関から融資を受けた場合の返済金

買掛金

食材や商品(営業上メインとなるもの)の業者へ後日支払う代金

未払金

固定資産(空調や冷蔵庫、キッチンカーなど)や消耗品など、営業上メインとなるもの以外の購入で生じた後払いの代金
→誰かに返さなければならない、または払う約束があるお金は「負債」に仕訳

 そして、資産から負債を引いたものが純資産(お店が持ち続けることができるお金)となります。

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損益計算書について

 損益計算書は、一定期間の利益からさまざまな費用を差し引き、結局いくら儲かったのかを表す資料のこと。以下の各勘定科目に仕訳した取引を、収益と費用に分けて作成します。

売上

お客さまからいただく、料理やサービスの代金

受取利息

お店の預金口座を通して受け取る利息

雑収入

レジの金額が帳簿上の有高と合わない場合の差額(プラス分)など
 →お店に入ってくるお金は「収益」に仕訳

仕入高
食材やドリンク類などの代金

水道光熱費
電気、ガス、水道料金

地代家賃
家賃、月極駐車場代など

通信費
電話代、インターネット代、DM用のはがき代など

消耗品費
ナプキン、おしぼり、割り箸、キッチン用品、掃除用品など

広告宣伝費
HPやチラシの作成費、グルメサイト掲載費など

給与手当
従業員の給与、交通費など

事務用品費
コピー用紙、筆記用具、レジロールなど

支払利息
借入金を返済する際の利息

雑損失
レジの金額が帳簿上の有高と合わない場合の差額(マイナス分)など
 →お店から出ていくお金は「費用」に仕訳

 上記のほかにも、業態やお店の規模、営業スタイルなどによって、さまざまな勘定科目があります。「この取引は何という勘定科目にあたるのか?」ということを、そのつど考えて記録しておきましょう。
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 飲食店の経営において大切なのは、貸借対照表と損益計算書からお金の流れを把握すること。赤字が続いていないか、財務状況に見合わない出費をしていないか。そのような改善点を見つけて対策を練るため、勘定科目や仕訳について学びを深めておきましょう。

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