経営支援

飲食業界で倒産しやすい「酒場・ビアホール」閉業を回避する施策はなにか

開店ポータル編集部
2018/10/06
 2017年、飲食店の倒産件数が過去最多となり話題になりました。2018年はどうなるのでしょうか。
 倒産件数から見る最も倒産しやすい業態の実態や、回避するための方法についてまとめました。

最も倒産しやすい業態とは?

 2017年、外食産業の倒産件数は707件で過去最多となり話題になりました。(帝国データバンク調べ)
 業態別に見ると、居酒屋や焼き鳥屋といった「酒場、ビアホール」が最多で177件。焼き肉やラーメン、餃子などの「中華料理店、その他の東洋料理店」が104件、イタリアン、フランス料理などの「西洋料理店」が84件でした。

 では、2018年はどうでしょうか。2018年9月の全体の倒産件数は621件で前年の同月と比べると減少傾向にあります。業種別に見ても、建設業や製造業、不動産業などは倒産件数が減っています。
 しかし、サービス業については前年の同月と同数で196件。産業別に見ても倒産件数が多いことがわかります。さらに、サービス業のなかでも飲食業は、49件から58件と増加傾向にあります。

 倒産しやすい業種は、飲食業などのサービス業であり、飲食業のなかでも「酒場、ビアホール」系の業態は倒産しやすいようです。今後も、個人経営の酒場やビアホール系の飲食店は倒産が続くと予想されます。
 

なぜ倒産するのか?

 飲食店の倒産の理由について、全体の8割が「販売不振」です。そして、残り2割は事業の失敗や赤字累積などが占めています。
 多くの飲食店が、販売不振に陥り倒産したことを考えると、オープンした当初は、目新しいメニューやビジネスモデルで集客に成功しても、客が飽きるのが早く、次第に客足が遠のいていくという状況が見えてきます。

 そのうえ、仕入価格の高騰や人手不足による人件費の増加により経営状態は苦しくなります。飲食業界などの参入障壁が低い業界は、新しいライバルが出現しやすい業界です。ライバル店に勝つための施策を考える必要があります。

倒産を防ぐ3つの施策とは

 倒産しやすい飲食業界ですが、どうすれば倒産を防ぐことができるのでしょうか。
 倒産を防ぐ基本的な施策としては「キャッシュフロー」「メニュー開発」「宣伝」の3つがあります。

①キャッシュフロー

 キャッシュフローとは、資金の流れや現金の収支のこと。例えば、キャッシュカード決済の場合、すぐに、現金が入ってくるわけではありません。利益が上がっていれば、大丈夫だと安心してしまうものです。

 しかし、現金が手元にいくらあるかわからなければ、従業員の給料や仕入れ先への支払い、賃料などを滞りなく支払うことができません。そこで今手元にいくらあるか(キャッシュフロー)を把握しておくことが必要になります。

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②メニュー開発

 メニューにトレンドを取り入れることは大切です。しかし、それだけではトレンドが終わった途端、集客が見込めなくなってしまいます。トレンドを取り入れつつ、店の看板メニューとなる個性的なメニューを開発する必要があります。

 個性的なメニューとは、その地域において、その店でしか食べられない料理もしくは味のこと。酒屋やビアホールが倒産しやすいのは、メニューに個性を出しにくいからです。この店でしか出していない味、目玉メニューなどを開発しましょう。

③宣伝

 どんなにすばらしいサービスやおいしい料理を提供する店であっても店があることを知ってもらわなければ、新規顧客は獲得できません。友人や知人からの口コミで開店当初はある程度集客できます。しかし、それだけでは行き詰まります。多くの人が店を探すさい、インターネットで検索をします。店の場所、電話番号、駐車場の有無、営業日や営業時間、メニュー表などネットの情報は常に最新の状態にしておきましょう。

 また、季節限定メニューやイベントなどはSNSを活用して広く宣伝することが必要です。宣伝にコストをかける余裕がない場合は、無料でできるものをなるべく活用しましょう。
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万が一に備える「経営セーフティ共済」の活用を

 自分の店の経営状態が良い場合でも、仕入れ先など取引先の倒産によって、資金繰りが悪化し、倒産してしまうケースもあります。経営セーフティ共済は、このような連鎖倒産を防ぐための制度です。具体的には、無担保、保証人なしで掛け金の最高10倍(上限8,000万円)まで借り入れができます。1カ月の掛け金は5,000円から20万円の間で自由に選択可能です。

 さらに確定申告のさいは、掛け金を損金または必要経費として算入でき、節税対策になります。共済を途中で解約する場合は、解約手当金を受け取れます。掛け金を12カ月以上納めていれば掛け金の8割以上が戻り、40カ月以上であれば全額返金される仕組みです。ただし、12カ月未満の場合は掛け捨てとなります。また、取引先の倒産ではなく、臨時に事業資金が必要となったときに、一時貸付金として解約手当の95%を上限に借り入れできます。
 
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 酒場やビアホールの倒産を防ぐためには、「キャッシュフロー」「メニュー開発」「宣伝」の3つの施策が必要です。そして万が一に備えて「経営セーフティ共済」への加入も検討しましょう。倒産が多い業態のなかでも、成功している店はあります。今は問題なくても5年先、10年先を見据えて経営戦略を練ることが求められています。

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2018/10/06