資金計画

新型コロナ問題 飲食店の休業等を支援「雇用調整助成金の特例」とは【相談無料】

開店ポータル編集部
2020/03/04
 中国での集団感染以来、日本を含む世界各国で感染が広がっている新型コロナウイルス。経済活動に与えた影響も大きく、観光業、宿泊業、サービス業などあらゆる業界が売上ダウンに悩まされています。
 
 個人経営の飲食店も、例外ではありません。売上が確保できず休業に踏み切ったり、営業時間を短縮したりと、対策に追われているお店も多いでしょう。
 本記事では、休業手当などの助成によって飲食店を支援する「雇用調整助成金の特例」を取り上げ、その内容や申請の流れを説明します。

休業手当や従業員の給与を助成する制度


 景気の変動などのやむを得ない理由で、経営者はビジネスを縮小しなければならないことがあります。休業期間を設けたり、スタッフを系列店に出向させたりと、一時的な雇用調整をおこなう場合もあるでしょう。

 そんなとき、休業手当や従業員の給与などを助成してくれるのが「雇用調整助成金」。従業員の失業を防ぎ、雇用を安定させることを目的とした制度です。

新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、雇用調整助成金の特例措置を実施

 厚生労働省は令和2年2月、新型コロナウイルスの影響を受け、雇用調整助成金の特例措置を実施しました。
 もともと特例の対象は、来客数や売上の10%以上を中国(中国人)に頼る事業主に限られていました。中国人観光客の予約が大量キャンセルとなった宿泊施設、中国人向けのツアーが中止となった旅行会社や観光バス会社などがそれに該当します。
 しかし、最近になって、特例対象となる事業主の範囲が拡大されました。中国との関係にかかわらず、「新型コロナウイルスの影響で、前年の同じ時期と比べてひと月の売上が10%以上下がった事業主」であれば、一般の飲食店でも助成を受けられることとなったのです。

特例措置の具体的内容について


 では、雇用調整助成金の特例措置の内容をみていきましょう。

【助成対象となる飲食店】

 新型コロナウイルスの影響による経営の悪化により、事業を縮小せざるを得なくなった飲食店が助成対象となります。

 「経営の悪化」とは、たとえば次のような状況を指します。
・予約のキャンセルが相次ぎ、来客数が減ったために売上を確保できない場合
・得意先の会社の休業によって、お弁当やパンの販売ができず売上を確保できない場合
・イベントの中止によって、移動販売の売上が立たなくなってしまった場合

 助成金の申請をする場合は、「雇用保険の適用事業主であること」や「管轄労働局の実地調査を受け入れること」など、いくつかの支給要件があります。
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【助成金申請条件の緩和】

 特例措置では、2020年1月24日から7月23日までの間に休業などの初日を設けるお店に限り、申請条件が次のように緩和されます。

①休業等計画書の事後提出を許可
 雇用調整助成金の申請では、休業等計画書の事前提出が必要でした。特例では、令和2年5月31日までに提出する場合に限り、休業計画書の事後提出が可能になります。

②生産指標の確認対象期間を短縮
 助成を受けるためには、販売量や売上高といった生産指標の最近3か月の平均値が、前年の同じ時期と比べて10%以上減少していなければなりません。特例では、この比較期間が3か月から1か月に短縮されます。

③開業後1年未満の飲食店も助成対象に
 生産指標を前年の同じ時期と比較できないため、開業後1年未満の飲食店は助成対象となっていませんでした。しかし特例では、開業後1年未満の飲食店も助成対象となります。

④雇用量要件の撤廃
 最近3ヶ月の雇用指標(雇用保険に入っている従業員や派遣スタッフの雇用人数)の平均値が、前年の同じ時期と比べて増加していても、助成対象となります。



 

【助成対象となる雇用調整】
休業

 「働く意志と能力があるにもかかわらず、所定の労働日に働くことができない」状態による休業手当が助成されます。従業員が自主的に有給休暇を取ったことなどによる休業は、助成対象となりません。

職業訓練

 職務に関する知識や技術を習得させ、または向上させる職業訓練をおこなう場合、その期間の賃金相当額が助成されます。職業訓練の実施日は全日に渡り、それ以外の業務に就かせることはできません。

出向

 出向とは、そのお店の従業員として籍を置きながら、本部や系列店などで一時的に就業することです。組織の構造上「配置転換」とは言えないものが助成対象になり、出向元の事業主の負担額が助成されます。
 

【助成率と支給金額】

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雇用調整助成金・申請の流れ


 では、助成金の申請の流れをみていきましょう。ここでは、休業をおこなう場合を想定します。

Step①休業等計画書の作成

 対象期間(任意の一年間)に含まれる、実際に休業する「支給対象期間」ごとに休業等実施計画書を作成します。
 支給対象期間とは、休業計画や助成金の申請の単位となる期間で、賃金締切日から次の賃金締切日までの期間です。

Step②計画書の提出

 計画書が完成したら、必要書類を添えて管轄の労働局へ提出します。初回は雇用調整開始日の2週間前をめどに、2回目以降は雇用調整開始日の前日までに提出します。
 特例では、令和2年5月31日までの提出であれば事後提出が可能です。

Step③支給申請
 支給対象期間が終了するごとに、その翌日から2か月以内に支給申請をおこないます。
 支給申請書に必要書類を添えて、管轄の労働局に提出しましょう。

 開店ポータルBizでは、申請に必要な書類の作成をサポートしています。お気軽にご相談ください。
 


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 紹介した「雇用調整助成金の特例」以外にも、販売促進にかかる経費の2/3を補助する「小規模事業者持続化補助金」など、飲食店が利用できる助成制度があります。
 各都道府県には新型コロナウイルスへの対応に関する相談窓口が設置され、経済支援の案内を受けることができます。

 新型コロナウイルスが経済に与える影響は、想像以上に大きなもの。外出や外食を控えるお客さまが増える中、思うように売上が立たず苦戦する飲食店も多くなるでしょう。
 オーナーの生活や従業員の雇用を守るために、政府や各都道府県が用意する助成金をぜひ活用してください。
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