スタッフ育成

悪天候対策 お客様・スタッフ・店を守るために飲食店がとるべき行動とは

開店ポータル編集部
2018/09/18
 大雨や大雪の日には、外食を控える人が増える傾向にあります。飲食店のオーナーにとって、悪天候の日をどう乗り切るかは、売上を確保する上で悩ましい問題ですよね。
 しかし、台風や大雪、ゲリラ豪雨など災害レベルの天候となると、売上だけを心配しているわけにはいきません。お客様やスタッフ、お店の安全確保を優先し、普段とは違う心持ちで営業しなければならないのです。
 本記事では、台風や大雪、ゲリラ豪雨などの悪天候時に飲食店がとるべき対応を、お客様、スタッフ、店舗の3つの対象に分けてご説明します。

1.お客様への対応

①予約のお客様
 もっとも優先すべきなのは、予約のお客様への連絡です。台風や大雪、ゲリラ豪雨の際は、交通機関がマヒするだけでなく、外出自体が困難になる場合もあります。来店が難しそうな場合は、お客様と相談しながら、時間や人数、予約日の変更をおこないましょう。ここで注意したいのが、キャンセルの場合も無料での対応を心がけること。天候はやむを得ない理由であるため、キャンセル料をいただくのは望ましくありません。また、可能な限り、予約状況の確認がとれてから仕入れをおこなうようにしましょう。仕入れ後にキャンセルが発生した場合、その分の食材ロスが出てしまいます。発注後の急な変更は取引先に迷惑がかかるため、予約内容が確定してから発注をおこないましょう。

②予約外のお客様

 足元の悪い中来店してくれたお客様には、まず感謝の言葉を伝えましょう。割引やサービスをするのも良いですが、口頭でお礼の気持ちを表すことが大切です。服や荷物が濡れていたら、タオルをお渡しするなどの配慮をしましょう。また、天気が回復すると傘の忘れ物が多くなります。帰り際に必ずお声がけをしましょう。
 また、駅前のお店であれば、交通ダイヤの回復を待つお客様であふれ返ることも。慌てずに、一人ひとりに丁寧な対応を心がけてください。

③来店前のお客様

 お店のホームページやSNSがある場合は、悪天候による営業時間の変更や臨時休業、または通常営業のお知らせをしましょう。
 悪天候の中わざわざ足を運んだのにお店が閉まっていたら、誰でもガッカリしてしまいます。お店の信用を落とさないためにも、通常通りに営業するのか、閉店時間を繰り上げるのか、休業するのかといった情報発信は徹底しなければなりません。

2.スタッフへの対応

 悪天候時は電車やバスが運休になり、退勤後の足がなくなる恐れもあります。閉店時間を繰り上げ、スタッフを早めに帰すことを検討しましょう。もしくは、自宅がお店に近いスタッフに入ってもらい、自宅が遠いスタッフを休ませるなど、柔軟にシフトを調整することも必要です。
 このほか、万が一に備えて、スタッフの緊急連絡先一覧を作っておくと安心です。退勤後に無事に家に着いたら、電話やメールで連絡を入れてもらいましょう。オーナーやお店の責任者には、スタッフの身の安全を守る義務があるということを忘れないでください。

3.店舗への対応

①屋外の安全対策

 看板やメニューボードが風で飛ばされたり、側溝の水があふれて蓋が外れたり。台風やゲリラ豪雨の際、お店の周りには危険がいっぱいです。通行人やお客様にけがをさせることだけは、何としても避けなければなりません。
 特に怖いのが、建物の壁から突き出すかたちで設置された袖看板。横風の影響を受けやすく、壊れて落下する恐れがあります。ぐらついているようなら、思い切って外してしまいましょう。
 浸水対策が必要な地域では、水を吸って膨らむ簡易土のうの利用がおすすめです。使用前は軽くてコンパクトなので、収納に困りません。1階や地下にお店を構えている場合は、ストックしておくとよいでしょう。
 

②店内の安全対策

 雨で滑りやすくなった床は大変危険です。お客様が転ばないよう、モップがけをしたり、玄関マットを多めに用意したりといった対策が必要です。雨漏りが心配なお店は、バケツや雑巾を用意しておくとよいでしょう。
 直接の危害はありませんが、エアコンフィルターの目詰まりにも注意が必要です。台風で吹き込む湿度の高い空気が急激に冷やされ、吹き出し口からポタポタと結露が落ちてきます。空調の真下の席が使えなくなってしまうことも。普段からしっかりとフィルターの掃除をしておきましょう。

台風や雨雲の動きを見て、早めの情報収集を!

 悪天候の際は、天気予報やニュースをこまめに見て情報を集め、速やかに対策をとることが重要です。お客様の身を案じて、予約の日程を変更すること。雨風をしのぎに来たお客様一人ひとりを、あたたかくもてなすこと。そしてスタッフや店舗の安全を確保すること。どれが欠けても、お店の“これから”を守ることはできません。
 台風やゲリラ豪雨は、いつ、どこで発生し、あなたの地域を直撃するか分かりません。いざというときに慌てずに実践するための準備を整えておきましょう。

 
開店ポータル編集部
2018/09/18