開業手続き

初めてのカフェ開業“想いが伝わる”事業計画書の作り方 飲食店開業希望者必見

開店ポータル編集部
2019/05/29
 オーナーのこだわりを自由に表現しやすいカフェは、飲食店の開業を志す方々に人気の業態です。自分の“好き”でいっぱいの空間で手作りスイーツやドリンクを提供し、おしゃれな制服を着て働く…そんな毎日は、とても幸せですよね。

 未経験からの開業も多いカフェですが、ほかの業態と同様に、しっかりとした事業計画書なくしてお店は成り立ちません。トラブルの際に立ち返れるものがないと、お店が何を目指していたのかが分からず、改善点を見いだすことが難しくなります。

 そして何より事業計画書は、開業資金の融資を受ける際に、各機関に提出するとても重要な書類でもあるのです。本記事で取り上げるポイントに注意して、内容の濃い事業計画書をつくっていきましょう。

事業計画書を作成する意義とは?

 オーナーの人物や経歴、どのくらいの期間内にいくらの売上を見込んでいるのか。そして、そのカフェがどのような形で世の中に貢献し、どうなっていくのかというビジョン。
 そういったさまざまなことを明記した事業計画書を作成する意義として、次のものが挙げられます。

1.融資の審査を受けるときのアピール書類

 事業計画書は、さまざまな機関から融資を受けるときに提出を求められる書類です。書類審査に重きがおかれているため、事業計画書の内容次第で合否がほぼ決まってしまいます。
 審査官は、初対面の人に何百万ものお金を渡すか否かを、書類と面談だけで判断しなければなりません。だからこそ、あなたのカフェが“必ず成功し、世の中に貢献し、お金を完済できるビジネス”だと、客観的にアピールしなければならないのです。

2.迷ったら立ち返る、お店の道しるべ

 “どのようなターゲット層に何を提供し、毎月の売り上げはいくらを目標にして、将来はどのようにお店を発展させる”といったオーナーの考えが可視化された事業計画書は、お店の道しるべでもあります。
 経営不振のときは、事業計画書を立ち返り、目標に対して何が足りていないのか、どこを改善すべきなのかを見つけることができます。
 

しっかりとアピールしたい4つのこと

 事業計画書の作成には、日本政策金融公庫のテンプレートを用いることもできます。こちらの項目は実用的なものではありますが、オーナーの想いや情熱までは、伝わりにくいものでもあります。実は、事業計画書に決まった書式はありません。Excel、Word、PowerPoint、手書きなど自分に合ったものを選びましょう。
 作成時には、次のことがしっかりとアピールできているとよいでしょう。

①開業の動機

身体に優しい全粒粉マフィンの美味しさを広めることで、甘いものは身体に悪いというイメージを覆す一歩にしたい。農家から直接仕入れた北海道産の全粒粉を使い、地産地消の大切さを発信していくことも考えている。

 上記のように、人を納得させる開業動機をもつオーナーは、営業上のトラブルに見舞われても折れない心やマネジメント力をもっています。それは、お店が長く続き、事業が成功する可能性が大きいということ。審査官は、そこに信頼をおいて融資を決めるのです。

②コンセプト

 お店のコンセプトは、お客様が数あるカフェの中からあなたのお店を選ぶポイントです。ターゲット、メニュー、雰囲気がちぐはぐだと、経営を成功に導くことはできません。

 まず考えるべきは、“誰をターゲットにするか”。お客様の年齢、性別、職業はもちろん、普段利用するお店、チェックしている雑誌などを具体的にイメージして設定しましょう。

 次に、“何を提供するか”。料理よりも、まずはドリンクとスイーツに力を入れましょう。カフェでは安定してオーダーが入るメニューなので、リピーター獲得のための大切な看板商品となります。

 そして、“どのような空間が売りなのか”も考えましょう。木目やアンティークがメインの大人の空間なのか、カラフルな小物が楽しいポップな空間なのか。あなたのお店でしか味わえない雰囲気をアピールしましょう。

③資金計画

 毎月の収支計画をしっかりと立てておくことが、お店の成功の鍵となります。ランニングコストを計算し、それに対してどのくらい売り上げなければならないのかを、事業計画書に明記しておきましょう。

 契約農家の有機野菜や、専門店から取り寄せるパンを使ったサンドイッチなど、こだわりが多いのは素敵なこと。しかし、こだわりすぎて費用対売上のバランスが崩れ、経営が成り立たなくなっては本末転倒です。仕入原価は、売上の30%程度にとどめておきましょう。また、砂糖、ストロー、紙ナプキンといった消耗品は大量注文できる場所で調達し、コストを抑えることが大切です。

④これからのビジョン

 “将来的には、地方にお店を増やしたい”、“カフェが軌道に乗ったら、雑貨や焼菓子の通信販売も始めよう”など、そのお店ならではのビジョンがあるはず。事業計画書では、これらのビジョンを“願望”として書くのではなく、言い切ったかたちで書くことが大切です。

 “お店がうまくいけば、2店舗目を出したい”のように曖昧な記述ではなく、“3年後をめどに、代官山に2店舗目を展開”と明確に提示することが大切です。こういった強い意志を感じる記載は、審査官にインパクトと信頼感を与えます。

開業してからも長い付き合いとなる事業計画書

 どのような業態のお店であっても、融資を受けるためには事業計画書の提出が不可欠です。もちろん、審査に通ったからといってお役ご免というわけではありません。事業計画書は、開業後もお店を支える土台となります。

 オープンから3年後に営業を続けていられるお店は、たったの3割といわれている飲食業界。それはカフェも例外ではありません。多くのお店がオープンしては、次々と閉店しています。クレーム、売上の低迷、競合店の登場など、お店が乗り越えるべき課題はたくさん。いざ直面したときに立ち返れるよう、ポイントをおさえた内容の濃い事業計画書を作ることが大切です。

 
開店ポータル編集部
2019/05/29